オリンピックイヤーの誓い

 2020年令和二年、新年明けましておめでとうございます。多くの日本企業同様、弊グループも1月6日の月曜日が仕事始めだったのですが、当日早々に中国青島へ出張のため、年始のご挨拶が遅れてしまいました。そんな奇特な人は居ないと思いますが、このブログを楽しみしている皆さん、申し訳ありません。
さて、何故早々の中国か?実は主力製品である“かきグラタン”の容器である牡蠣殻が国内での調達量が非常に枯渇しており、やむなく、急遽中国から直接輸入する事になったのです。その商談のために。“中身はいいの?”と驚く中国人を“要りません”と制し、緊急の仕入交渉をして参りました。
 日本国内の牡蠣殻枯渇事由(当たり前ですが、中身も枯渇)は今となっては、定番ワードの人手不足、働き方改革、地球温暖化でしょう。これは日本産業界内コモンワードです。
当然ですが、この事象は数年前から感じており、その対策として供給数量が人工物であるプラスティック容器への変更も幾度となく検討しておりました。自然界のモノではないので、直接には災害、乱獲等による生産数量への影響はありません。洗浄も不要、生の牡蠣殻と違い清潔で管理も容易です。
加えて、形状と重量が均一安定しており、生産性は本物の牡蠣殻に比べて格段に高いからです。原価管理も安定します。では、何故?その良いこと尽くめのプラスチック容器に変えないのか?それは…
 SDGs思想が世の潮流になって来たからです。SDGsとは?
→持続可能な開発目標(じぞくかのうなかいはつもくひょう、英語: Sustainable
Development Goals: SDGsは、持続可能な開発のための17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)からなる国連の開発目
標なのです。
・17の目標
1.  貧困をなくす…「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」
2.  飢餓をゼロに…「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」
3.  人々に保健と福祉を…「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保
し、福祉を促進する」
4.  質の高い教育をみんなに…「すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教
育を提供し、生涯学習の機会を促進する」
5.  ジェンダーの平等…「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能
力強化を行う」
6.  安全な水とトイレを世界中に…「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持
続可能な管理を確保する」
7.  エネルギーをみんなに、そしてクリーンに…「すべての人々の、安価かつ信
頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」
8.  働きがいも経済成長も… 「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々
の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワー
ク)を促進する」
9.  産業と技術革新の基盤をつくろう…「強靱(レジリエント)なインフラ構築、
包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」
10. 人や国の不平等をなくそう…「各国内及び各国間の不平等を是正する」
11. 住み続けられるまちづくりを…「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で
持続可能な都市及び人間居住を実現する」
12. つくる責任つかう責任…「持続可能な生産消費形態を確保する」
13. 気候変動に具体的な対策を…「気候変動及びその影響を軽減するための緊急
対策を講じる
14. 海の豊かさを守ろう…「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」
15. 陸の豊かさも守ろう…「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16. 平和と公正をすべての人に…「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会
を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて
効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」
17. パートナーシップで目標を達成しよう…「持続可能な開発のための実施手段
を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」
 さて、169のターゲットはさておき、本物の牡蠣殻容器にこだわり続ける事は目標12、14に貢献しうると考えております。海洋生物に損害を与えるマイクロプラスチック廃棄問題はもはや座視出来ない状況ですから。生分解性のある牡蠣殻は餌にもなるくらいですから。他にも目標2、8など当グループの事業理念に沿うものもあり、世界的な持続可能な社会の実現に向け少しでも貢献出来ればと考えております。世界中の消費者に選ばれ続ける製品を供給し続ける為には、決してこの労を厭ってはならないと思います。
実は中国の次はベトナムからも殻の調達を検討しております。そろそろ、中身も買え!と言われそうですが、それはそれで些かデンジャラスな感じがしますよね。

私が生まれる二年前に行われた東京オリンピック!それが再現される2020年も我がグループは愚直に、バカ正直にホンモノの殻に拘っていきたいと思います。SDGsへの誓いを中途半端なものにしないためにも。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社 カン喜 代表取締役
株式会社 イチオウトレーディング 代表取締役
特定非営利活動法人 周南障害者・高齢者支援センター 理事長
上坂 陽太郎