お仕事って何ですか?

(株)カン喜・NPO法人周南障がい者・高齢者支援センターの上坂です。

今年もまたこの日がやって参りました。カン喜グループ年末最終日“直売セール”を無事迎えたことに感謝しております。

今回は日柄にも恵まれたこともあり、セールスタート10分前には何と40台近いお客様の車が工場、その周辺道路を埋め尽くしました。それは、当に違法路上駐車すれすれの様相を呈しておりました。その光景を眺めながら、幾分の安堵感に浸りつつ(何とか、年を越せそうやな)、この一年を振返ってみました…売上前年比5%微増、経常損益変化無し、新規雇用者数…もう、この有価証券に記載するような業況報告の体は止めましょう。無味乾燥な数字で今年一年でなく、この歳にして初めて体験したコトから得た貴重な教訓より自分の社会人生を振返り、その“初体験”を将来に活かしてみたいと思います。

で、その初体験とは??

“働くおじさん、仕事って何ですか?”というテーマ講演の講師を年の瀬、そう今年終了間際に“ハツモノ”を体験した訳です。視聴者は我が社周辺エリアである戸田地区の小学校高学年、中学校1年生総勢約150名。

 

世の中の酸いも甘いも、知り尽くしている乾燥しきった、オッサンとオバハンに向けて、“社長、ソンシツって、何故出たの?とか、”ザイコって、何故こんなに増えたの?”とか、“ハイトウって、何故、増やせないの?”とかをテーマに毎年一回行われる緊迫感溢れるセミナーで話(実際、説明、いや弁明かな)をする事には慣れておりますが、春秋に富む少年少女を前に彼等の夢を摘むことなく、仕事の持つ意味を話すことは至極難しい事です。何故なら、近隣小学校の女性教諭の方からこのセミナーを受諾した際、自分自身が仕事とは何ぞや?と言う問いかけに答えを窮したからであります。皆さん答えられます?まさか、小中学校生相手に“生活のため”何て言わないでしょう。

これは非常に難しい命題です。自身も真剣に考えたことなどありませんでした。そもそも、真剣に考えることなのだろうか?仕事の定義とは一定時間考えて出すものではなく、“自然”に自身が発する言葉より表現出来るものでなければならいでしょう。

残念ながら、私には思考する時間が必要でした。結果、“仕事とは生活のためではなく”、”人のため“、”人を喜ばす“、”人を幸せにする“、”人を笑顔“にするため、それらを通じて、最後は自分が幸せになる。その為のツールであると説明しました。冷凍食品の製造、障がいのを持つ人たちを雇用し続ける事は皆を笑顔、幸せにする。それが自分の夢の実現に繋がるのです

何や?!相当の時間を要して、その回答か?!と呆れられる貴兄もいらっしゃると思いますが、一度小中学校生を前に仕事とはどういうものかを説明することを想像して頂ければ、その難しさを自ずと解って頂けると思います。

また、その仕事をするためには何の勉強をしなければならないのか?何の資格が要るのか?という項目がありました。前述のように、“やる気があれば大丈夫”という程度の回答では説明になりません(とどのつまりはそうなのですが)。詳細は避けましたが、世界三大言語(お金、つまり会計、英語、ITスキル)は外国人とコミュニケーションが取れるレベルになるよう学習すべしと話しました。

聴取者の約半数が100歳まで生きると言われている2007年前後に生まれた子供達です。当然、生涯教育の大切さも訴えましたよ。“君等の時代は80歳くらいまで定年が延びるであろうから、それに適う、その時流に合った仕事、勉強が必要であることを話しました。我々の世代でも人生100年。充実した老後生活をおくるため、リカレント(再教育)の必要性があると言われているくらいですからね。

少子高齢化の更なる進展による人手不足は、彼等が成人に到達する頃には益々顕著になるでしょうね。本音を言えば、今回セミナーを引き受けたのも将来カン喜グループへのリクルートという遠大なプロジェクトを実行するためでもあったのです。ゆえに、将来のカン喜マンのためにも、当Grの永続を我々自身がモチベートし続けねばなりません。

それでは〆となりました、本年もカン喜Grファンの方々には大変お世話になりました。激動の(毎年同じ表現)2020年。想定外の事態にも泰然自若(たいぜんじじゃく)で取り組んで参ります。皆様もどうかよいお年をお迎えください。

 

2019年12月28日

(株)カン喜代表取締役

特定非営利活動法人周南障害者・高齢者支援センター理事長

 

                                  上坂 陽太郎